先日、数年ぶりに欧州を訪ねました。
ルクセンブルク経済通商省東京貿易投資事務所のアレンジで6月1 9日、20日にルクセンブルクで開催されたICT 2013 Spring, Europeに参加して基調講演を行ってきました。
講演のテーマは、H ow Japan should contribute to the world in the era of cloud computing として、 震災後の復興遅延の様子や家電業界を始めとした産業界の苦境を概 観し、 クラウドコンピューティングの時代を迎えて日本は大きく変わらね ばならないこと、そして、20世紀に工業製品の輸出でmade in Japanブランドを築き上げたスタイルやビジネスモデルとは別 の発想、 別のやりかたで世界貢献をして行かねばならないことを持論として 展開しました。その上で、現在弊社で進めていること、 および今後やろうとしていることについてALEXCIOUSおよ びCOUNTDOWNそれぞれのサイト紹介も含めて行ないました 。
全体の来訪者が4000名ということでしたので、 比較的小規模なイベントでしたが、 日本からも10数社のスタートアップの若い経営者達が参加してい て頼もしく思いました。 現地の投資家や起業家支援団体の人達も含め、朝食会、 夕食会などで活発な交流が行われました。
ルクセンブルクには日本人が経営する日本食レストランは2軒のみ ということでしたが、 25年間続けていてHenri大公もお気に入りという「鎌倉」 という和食レストランを訪れて宮前さんというオーナーとも懇談し ましたが、 世界中どこに出掛けても現地の人達に一目置かれた日本人が活躍し ている姿に接するのは嬉しいものです。
Tsumeという社名のフィギュア制作会社も訪問しましたが、 社長はじめ、スタッフは全員欧州の外国人。 東映アニメやバンダイなど、 日本のライセンサーから正式に地域限定ライセンスを受けてキャラ クターフィギュアの3Dモデリングと制作を行っていました。 日本で言えばグッドスマイルカンパニーを小規模にしたような感じ でした。丁度、7月初旬のパリでのJapan Expoに向けた新作の運び出しの準備を行っていましたが、 非常にクウォリティの高い作品を作っていました。 今や日本のアニメやコミックに大きな影響を受けて育った外国人は 珍しい存在ではなくなりました。
西ヶ廣大使から日本大使公邸でのランチにご招待いただき、 ルクセンブルク経済通商省の人達も加わって日欧の経済情勢等の情 報交換、意見交換を行いましたが、 ちょうど終わったばかりのG8の様子などを興味深く聞かせていた だきました。 日本ではアベノミクスに関心が集まったような報道もありましたが 、 話題の中心は圧倒的にシリア情勢についてだったとのことでした。
その後に立ち寄ったパリでは、漫画、雑貨、食品、日本酒、着物、 茶・茶道具等、 日本関連の商品を扱っているところを網羅的に案内してもらいまし たが、 うどん屋が流行っていてどこも入り口に行列が出来ているのが印象 的でした。 2大百貨店であるプランタンとラファイエットおよび老舗百貨店の ボンマルシェ、日仏文化会館なども訪問しましたが、 ボンマルシェには日本酒の販売コーナーもあってさまざまな銘柄が 試飲されていました。
パリの後でロンドンにも立ち寄りましたが、 ソニー時代に頻繁に訪れていた頃に比べると圧倒的に中国人が増え ているのが目立ちました。 ブランド店や空港なども大勢の中国人で溢れ返っている印象でした 。また、 もともと欧州での日本車のシェアはそれほど高くはないものの、 それでも当時はそこそこ走っていたように記憶していますが、 今回は日本車はまったく見かけませんでした。 家電量販店には立ち寄りませんでしたが、 街中ではSamsungの広告を見かけることはあっても、 ソニーやパナソニックの宣伝を見かけることはなく、 数年前に比べて、前述のような新たな日本ブームとは裏腹に、 かつてこの世の春を謳歌した分野での日本の国力の衰えを実感しま した。
Louvre, Paris |
Team "Tsume" |
はじめまして。
返信削除初めて投稿いたします。
辻野さんが昨年お知り合いになられた同郷の青年(出版された本のお礼をと会社に伺った青年)の友人です。私も福岡出身です。
辻野さんとの出逢いを昨日生き生きと訊きました。
私はそれからすぐに辻野さんの本を購入し、今読み終えました。私も少しですがソニー関係の人間であったことがあり、SONYspiritが大好きで本を通して改めて確認しました。今、井深さんや盛田さんが居らしたら今のソニーになんとおっしゃるのか想像してしまいます。
辻野さんは文化的な感性もおありで共感させていただく所が多々あります。
いつの日かお会いする時がありましたらよろしくお願いします。
公開に対しての配慮から一部端的に表現しております。
コメントの確認が遅れて失礼しました。何かのご縁ですね。よろしくお願い致します。
返信削除