2014年4月10日木曜日

桜の不思議な力

東京では今年もあっという間に桜(ソメイヨシノ)の時期が終わってしまいました。

毎年思うのですが、桜というのは実に不思議な植物です。一年のうちにたった一度だけごく限られた短い時間に限って華やかな花を咲かせて、その後はさっと散ってしまいます。花を付けている間は、我々を前向きで元気な気分に高揚させてくれ、生命力を限りなく高めてくれるような気がします。また、花が散るときには人生のはかなさとも重ねあわせて感傷的な気分もたっぷりと味わわせてくれます。葬儀の時のお坊さんの講和の中でも「散る桜 残る桜も 散る桜」という良寛の名句がよく引用されます。生命の輝きとはかなさをこの一句の中で三度も「桜」を使うことによって余すところなく表現し尽くしているように感じます。

毎年、桜の開花を待ち焦がれ、開花と共にお祭り騒ぎをして、散る桜を見ながら人生のはかなさを思う、、、こんな植物は桜以外にはなかなか思いつきませんし、このような植物を愛でる習慣のある日本人はとても幸せだと思います。さらに付け加えると、桜は、少なくとも一年で3回我々を楽しませてくれます。花が散った後の新緑の美しさは格別ですし、秋になると紅葉が見事です。

日本の文化はこの桜という植物無しでは考えられませんが、これからも末永くこの桜という植物を大切にしてしていきながら、海外の人達にもこの素晴らしさを広く伝えて行きたいものです。

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