前回のエントリーで、昔のソニーのモルモット精神について書いたが、よく言われる日本のガラパゴス化現象というものが「モルモット現象」と言えるものであるのならば大いに奨励されていい。人のやらないことを真っ先にやった結果、常に時代の最先端を走り、その後、世界が少し遅れてそれを追い掛ける、という図式を作れればいいのだ。すなわち①モルモット → ②ガラパゴス → ③世界標準という図式だ。
ちなみに、先日、テレビの番組で御一緒した竹中平蔵氏によると、Galapagos Syndromeという言葉は日本以外では全く認知されていないそうだ(笑)。モルモット(marmot)という言葉も、最近では日本でも使われないが、海外でもまず通用しない。。。
今はネットの時代かつインフラが整って個人レベルにも無限のコンピューティングパワーが安く提供されている時代と考えれば、必ずしも大きな組織に属していなくても、思いついたことを迅速に実行に移し易い時代でもあり、モルモット精神を発揮して新しいことにチャレンジし易い時代であることは前回も述べた通りだ。後は、②から③への遷移を起こして行けばいいのだが、その為には、いつも世界を見渡すような視座を持ち、海外の人達との日常的な交流が欠かせないだろう。
話はやや変わるが、昔読んだ、立花隆氏の、「宇宙からの帰還」によると、宇宙から地球を眺めた経験をした宇宙飛行士は、before/afterで例外なく世界観ががらりと変わるらしい。それも、やっと大気圏を抜けた程度の高度から地球を見た宇宙飛行士よりも、月などはるか彼方から地球全体を俯瞰した経験のある宇宙飛行士の方が世界観の変わり方が激しいというようなことが書いてあったと記憶している。
グーグルに入った時に、グーグルの人達はいつも宇宙のどこかから地球全体を眺めながら仕事をしているような印象を持った。自分達の試みが「世界にスケールするかどうか」ということを常に気にしているのだ。映画「ソーシャル・ネットワーク」でも、ナップスターの創業に関わり、フェイスブックの初代社長となったショーン・パーカーが登場して、マーク・ザッカーバーグに、フェイスブックを世界に大きく飛躍させるきっかけとなる重要な助言を与えるシーンがあり、印象的であった。
日本人の発想や技術が②のレベルに留まることなく、③へと遷移していくためには、言語やコミュニケーション・スキルの問題以前に、まさに宇宙の彼方から地球を俯瞰したようなスケールでの視点や世界観を持つことが一番重要なのではないかと思っている。
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