2018年11月21日水曜日

GAFAの脅威

GAFAが今年の流行語大賞にノミネートされました。いうまでもなく、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの頭文字を並べた造語です。

スコット・ギャロウェイ著「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」(東洋経済新報社)も売れているようです。著者は 「世界最高のビジネススクール教授50人」に選ばれたことのある連続起業家で、ブランド戦略やデジタルマーケティングの専門家でもあります。私も読みましたが、著者の偏見や好き嫌い、若干の私的な恨み節も含めて、GAFAそれぞれの「表の顔」と「裏の顔」をうまく描き分けていると思いました。

GAFAは、資金力、技術力、人材力といった面で他の追随を許さないグローバルプラットフォーマーとして、「データ資本主義」時代を象徴する圧倒的な存在です。半ば社会インフラ化した存在で、我々の日常生活はGAFAに大きく依存するようになりました。今やグーグル検索やアマゾンのサービス無しの生活は考えられません。

GAFAのサービスやプロダクツは実に便利ですが、一方で、利用者は使うたびに自分自身の好みや行動履歴などさまざまな情報を彼らに無償提供しています。その結果、本人が意識しているしていないは別として、多かれ少なかれ自分の思考や行動を彼らにコントロールされています。

中国でもアリババなどが集めたデータは中国政府によって国民をランキングしたり監視するデータとして使われています。 米国の国家安全保障局(NSA)や中央情報局(CIA)で働いていたエドワード・スノーデンも権力による監視社会の実態を暴露しています。

利便性はプライバシーとのトレードオフですから、我々が現在手にしているさまざまな利便性の裏には常にプライバシーの問題があることだけは忘れてはならないと思います。

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