バイオ産業ではアジア最大規模の国際展示会「BioJapan 2015」が、10月14日から16日までの3日間、横浜市みなとみらいの「パシフィコ横浜」で開催され、当社もブースを出展致しました。創薬、個別化医療、再生医療、診断・医療機器、ヘルスケア、バイオエネルギー、機能性食品等の分野で、世界30カ国から700社ほどの企業が出展しましたが、今回、神奈川県が、この展示会場の一角を使って、初めて「ME-BYO Japan 2015」を開催し、国内各社や研究機関の「未病」に対応した製品やサービスを紹介しました。 当社では、縁あってこの神奈川県の取り組みに協力することになり、これを機会にこの分野にも参入することに致しました。
「未病ビジネス」は、従来の予防、診断、ケアのアプローチに加えて、人工知能やビッグデータの応用分野としても有望ですが、「未病」というキーワードのもと、新たな価値を新規産業として創出していくことは人類の未来への備えでもあると思います。 未病とは、神奈川県の定義によれば「健康と病気を二つの明確に分けられる概念として捉えるのではなく、心身の状態は健康と病気の間を連続的に変化するものと捉え、このすべての変化の過程を表す概念」とされます。もともとは、東洋医学の考え方で、病が顕在化する手前の段階で、体を健康な状態に戻すべくケアしようという発想です。
現在、人類の平均寿命は毎日5時間ずつ延びている、というデータもあり、2050年頃までには平均寿命が100歳を超えるという説もあります。高齢化は驚くべきスピードで進んでいますが、一方で、「平均寿命」と「健康寿命」の間には、現在でも男性で約9年、女性で約13年の開きがあります。加速する超高齢社会の中で、いかに健康寿命を延ばし、将来的な医療費の増大を抑えていくかは大きな課題となっています。
世界一の長寿国家となった日本には、人類の健康増進に有効な素材や技術がたくさんありますが、事業化、産業化、グローバリゼーションという観点ではまだまだ未開拓です。世界人類共通の大テーマに、地方自治体の神奈川県が正面から向き合い積極推進することは、地方創生の観点からも大きな意義がありますが、当社も微力ながらこの分野での貢献を目指して行きたいと考えています。
10月22日と23日には、箱根で「ME-BYO Summit Kanagawa 2015」という国際シンポジウムの開催が予定されていますが、筆者もモデレーターとして参加しますので、また機会をみてその模様もご紹介したいと思います。
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