仕事柄、長くシリコンバレーの人達と接する機会が多く、また彼の地に通っていたような時期もあった経験から言うと、日本の産業界は圧倒的に新陳代謝のスピードが遅いですね。まず、シリコンバレーにいるようなエンジェルやVCが不在でリスクマネーがまったく回っていません。リスク=オポテュニティに投資するのではなく、リスクがないとわかって初めて投資するような似非投資家が多い印象です。インキュベーションファンドなどといっても、投資額が¥300万とか¥500万とかの小口のものばかりです。リスクがないものに少額投資したところでリターンもたかが知れています。 一方で、20世紀の経済発展を牽引してきた大企業の中にはさすがに劣化が 目立つところも増えており、21世紀の成長戦略を引き続きそういう企業にばかり託し続けよう とするのも無責任で酷な話だと思います。 このような我が国のビジネス環境を取り巻く現実については、自ら起業してみることによっても目の当たりにさせられてきました。
今の日本に必要な長期改革を2つだけ挙げるとすれば、①産業の新陳代謝を促進するインフラや仕組みの構築 と②教育改革であると思っております。世界銀行の調査によると、日本は起業のしやすさという項目で183カ国中107位、課税に関する項目では120位、許認可取得については63位だそうです。起業行為を始め、もっとチャレンジする個や斬新なエネルギーを積極的に応援する環境を整えて行くことはまさに国家の急務と感じております。
そのような問題意識から、自分達でできることをまずは始めてみよう、という思いで、このたび、果敢に挑戦する人達を応援するプラットフォームCOUNTDOWN を新たに立ち上げました。これは、所謂クラウドファンディング、ソーシャルファンディングと呼ばれる新たなチャレンジ支援インフラ事業で、弊社の社是である「日本発世界」を基軸に、グローバルな挑戦を志す人達を応援するためのグローバルプラットフォームです。すでに運営を続けている「日本発世界」の越境eコマースALEXCIOUSの事業とも密接な連携を図ることが出来るサービスとして設計しています。
このような場が、今後の日本の新陳代謝を促して行く上での一助になれば、という思いで熱い運営をおこなっていきたいと思っています。