2013年2月14日木曜日

起業家スーパーカンファレンス2013

三連休最終日の2月11日(月)に、品川で行われた起業家スーパーカンファレンス2013というイベントでの対談に呼ばれて行ってきました。ソニー時代にVAIO事業を立ち上げたとき以来の古いお付き合いのインテルジャパン初代社長の傳田信行さんとの対談でしたが、他に、KLabの真田哲弥さんや、Optの鉢嶺登さん、リブセンスの村上太一さん、タリーズコーヒーの創業者で参議院議員の松田広太さんなど、多彩な起業家の皆さんがお集まりでした。聴衆は就職を控えた学生さん達500名程でしたが、「日本の開業率を10%に引き上げる」というコンセプトに共鳴して参加しました。
 
このようなイベントに行くたびに思いますが、日本の若者は大人しくなったとか、草食系とか、いろいろと言われますが、休日を潰してこのようなイベントに集まってくる熱心な若者はたくさんいますし、就職よりも起業したいと思っている若者もたくさんいます。大切なことはこういう人達が本物の起業家として巣立って行くために、周囲の先輩達がどんなことでもサポートの労を惜しまない、ということだと思います。資金援助でも、ビジネスプランへのアドバイスでも、専門家の紹介でも、自分の経験談で参考になることでも、伝えるべきことを惜しみなく伝え、援助できることはどんなことでも手を差し伸べる、ということがとても大切だと思います。
 
何度も言いますが、昨年の世界銀行の調査では、起業のし易さ、という項目で日本は183か国中107位でした。この順位を上げて行くためには、資金提供のインフラ整備や規制緩和にとどまらず、チャレンジする人を応援する風土、チャレンジして失敗した人の再チャレンジを奨励する土壌を作って行くことが何より大切だと思います。自分自身も起業した事業を軌道に乗せるのに奔走する毎日ではありますが、若い人達を支援する活動には今後も出来る限り協力して行きたいと思っています。
 
それにしても久しぶりにお目に掛かった傳田さんは、長い間人工透析をしておられましたが、数年前に腎臓移植の手術をされ、その後、見違えるようにお元気になり、今年65歳を迎えられるということでしたが、すっかり若返られて、精力的に新しいことにもどんどん挑戦しているというお話しで大変に嬉しく思いました。

2013年1月31日木曜日

4年ぶりのNew York訪問

今週はNew Yorkに来ております。ソニー時代には毎月通うように来ていた時期もあったのですが、グーグル時代に来たのを最後に、今回のNew York訪問は4年ぶりくらいになります。ここに来るといつも感じるのはこの街から発せられている何ともいえない強力なエネルギーです。金融や小売りや芸術やエンターテインメントの世界的な拠点でもありますが、ここで一旗揚げてやろうという野心や向上心の強い人達が全米からそして世界中から集まってくるせいなのでしょうか。今週はInternational Gift Fairというイベントが開催されていたのですが、会場も世界中から集まってくる多くのサプライヤーやバイヤーの熱気に包まれておりこの街から世界中に発信される最新のトレンドを感じることが出来ました。
 
一方で、今回は、以前にも増して、都市インフラが劣化している気がしました。日本でも先日の中央高速でのトンネルの天井崩落事故をきっかけに、首都高などのインフラ劣化が議論となっていますが、市中をバスやタクシーで移動するときに交通の流れがまったく上手くいかなくなっていてちょっとした移動にも予想外の時間が掛かってしまう状態です。道路も傷んでいるところが非常に増えていて、いたるところで補修工事が行われています。昨年この街を襲ったハリケーンの被害の影響もまだ残っているようです。もちろん、地下鉄もありますし、マンハッタンの中は比較的狭いので徒歩で移動、という選択肢もありますが、寒い日や雨の日の移動はタクシーもつかまりにくくて本当に一苦労です。
 
そう考えると、東京の素晴らしさは群を抜いています。駅の自動改札やどこにでもあるコンビニエンスストア、公衆トイレのウォシュレットに至るまで、便利で快適なことはこの上ないと思います。東京では当たり前のモノやサービスでも、世界の大都市New Yorkですらあり得ない様なモノやサービスであることにあらためて気付かされます。日本で皆が享受しているような生活の便利さや快適さを、世界にもっと発信、拡散していくことにはまだまだいくらでも余地があるのだということを改めて感じています。

2013年1月10日木曜日

潮目は変わった

2013年も既に10日余りが過ぎましたが、あらためまして新年おめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

年末に政権も自民党に戻り、第二次安倍内閣は直ちに経済再生最優先で精力的に動き始め、緊急経済対策の策定や産業競争力会議の組織化などのアクションも迅速です。結果的に株価や為替も好感しており、2013年は近年になく明るいスタートになったと感じております。とにかく、早急なデフレ脱却と成長戦略の確実な実行に大いに期待したいと思います。

一方で、確実に経済を再生させるためには、当然、政府に任せているだけでは駄目で、我々国民の一人一人が潮目が変わったことをきっちりと認識して力強く前に向かって進んで行く姿勢も大事だと思います。民主党政権下の暗黒の3年間ですっかり沈滞してしまった人々の意識が後ろ向きなまま変らなければ、せっかくの政権交代をチャンスとして活かして行くことになりません。今はまず、世間の雰囲気を明るくすることが肝要です。そういう意味では、たとえば2020年のオリンピックの東京招致なども日本全体を明るくする好材料ですから、国民の関心を高めて国家プロジェクトとして何が何でも招致を勝ち取る、といったムードを一気に盛り上げるようなことも大いに有効だと思います。

先日、「日本経済復活のカギは?」というテーマでテレビ朝日の朝の番組に出演した時にも申し上げたのですが、家電や製造業があらためて活性化していく為には、①人のコピーではなくて新しい領域を開拓する ②生み出した商品は国内だけでなく最初から世界で同時に販売する というスタンスが肝要です。Chris Andersonの"Makers"という本が話題になっていますが、インターネットの発達や、ハードウェアのダウンサイズ・低価格化の結果、製造業も大きく変遷しつつあります。今や高度な3DCADや3DプリンターがPCベースで家庭でも使える時代で、「デスクトップ工房」などという言葉も生まれています。また、開発資金の集め方や、人手の確保などの面でも、いわゆるCrowd(群衆)の力を活用する手段が増えています。弊社のALEXCIOUSやCOUNTDOWNもそういう流れを意識して開発したものです。

真の経済再生の為には、昔の日本がそうであったように、まず、未知の領域に果敢に挑む開拓者精神を取り戻すことが何よりも重要なことだと思います。そして、20世紀の延長線上で発想したり行動するのではなく、ネットやソーシャルやクラウド(Cloud、Crowd)をキーワードとした21世紀の新しいスタイルを生み出しながらやり遂げて行く必要があるのです。

2012年12月28日金曜日

年末のご挨拶

早いもので2012年も年末を迎えました。私も本日が今年の仕事納めです。
 
日本では一年の最後の月を「師走」といいますが、文字通りの慌ただしい日々が続きます。これは、いろんなことを年が変わる前にやり遂げてしまおう、という日本人の「けじめ」を大切にする精神性から来ているようにも思います。それに加えて、クリスマス商戦、年末の大売り出しなど、商売の面でも年の終わりはかき入れ時でもあり、多くの人達が本当に忙しく動き回っているように見えます。
 
その慌ただしい年末を終えて元旦を迎えた瞬間の静けさや清らかさは、日本人に生まれて来てよかった、と感じる時でもあります。日付が切り替わっただけで、まさに「動」から「静」へ世の中が一瞬で転換するように感じます。そして新年もまた、日本人のけじめを大切にする精神性から、初詣、初日の出、初夢、書き初め、仕事初め、大発会、、、等々、さまざまな風習があります。
 
年の瀬を迎えて過ぎ去った一年を想い、そしてこれから新しく始まる一年への決意や期待が交錯する師走の最後の日々は個人的にもとても好きな季節です。
 
本年も無事に平和な年末を迎えることができたことに心から感謝したいと思います。皆様におかれましても、素晴らしい年末年始を迎えられることを心よりお祈り申し上げます。

2012年12月18日火曜日

新政権誕生

衆院選が終わり民主党が惨敗して自民党が圧勝、維新等も躍進しました。これは何より、3年間に渡って政権担当能力の無さを見せつけた民主党に国民が愛想を尽かした、ということだと思いますが、安倍さんの自民党が返り咲いたのは、「失敗者にセカンドチャンスを与えた」、という意味では悪くない選択なのだとも思います。安倍さんは明らかに政治家として一度挫折した人で、その人に再び信を託したのは、比較的敗者に冷たい国民性からすると、面白い選択とも思えるからです。しかし、逆に言えば、期待した民主党にも完全に裏切られて、ここは一旦、政権運営に手慣れた自民党に戻すしか他に手はない、という国民の絶望にも近いあきらめの選択なのだとも思います。
 
ところで、右傾化を憂える論調がありますが、私は軽々に右傾化という言葉を使うべきではない、という意見です。ナチスドイツや旧日本軍部等、国が乱れると右傾が始まる、というのは歴史の常ですが、現在の状況は、民主党があまりにも無能で外交面でも大きく後退し、特に鳩山さんの迷走で日米関係が大きく傷ついてしまい、その為に、中国やロシアや韓国に付け入る隙を与えてしまった、ということがまず背景にあるのだと思います。その為に、尖閣問題や北方領土問題、竹島問題が一度に再燃し、それを契機に、国民の国防に対する危機意識が高まった、ということです。そういう意味では、右傾化を憂える以前に、平和ボケしている我が国の国防に対する意識や領土保全に対する意識がようやく目覚めたに過ぎない、というレベルの話だと感じています。本来、国防や領土の保全は国のアイデンティティを考える第一歩ですから、国民の意識が高まって議論が盛り上がるのはあるべき姿と言えます。
 
いずれにしても、ようやく3年余りの政治の混迷に終止符が打たれて、新しい国造りが始まるこのタイミングはとてもエクサイティングですし、誰にとっても他人事ではありません。今後の政権運営に注目して行きたいと思います。

2012年11月29日木曜日

21世紀の新しい秩序とは?

混迷を極めた民主党政権にようやく一旦終止符が打たれることになったのは喜ばしいことですが、次の政権を誰に託するのか?ということを考えるとはなはだ悩ましいですね。民主党の再登板は勘弁してもらうとして、かといって日本維新の会をはじめとするいわゆる第三極でははなはだ危なっかしいですから、やはりここは一度自民党政権に戻すしかないのだろうか、、、などと自分の一票をどう行使すべきかを考えあぐねています。

ところで、今、日本だけでなく、世界中が混迷の度合いを深めているように見えますが、これはマクロに見ると、おそらくネットやクラウドやソーシャルの登場によって、20世紀の秩序や常識が組み替えられるフェーズに入り、かといって、21世紀の新たな秩序や常識が着地点に至っているわけでもないために、世界中が混乱状態に陥っているのではないかと感じています。「政党政治」とか、「民主主義」とか、「国家」とか、「権威」とか「エスタブリッシュメント」などといったいわゆる20世紀的な概念の意味が大きく変わりつつあるのを感じます。ネットの発達によって、無限のコンピューティングパワーが安価に個人に解放される時代となり、個人がエンパワーされ、自分のアジェンダで活動し易くなったことにより、自分自身が所属するものへの依存度なども変ってきているのだと思います。ネットの中にボーダレスな地球がもう一つ出来上がっているような時代には「クラウドのリアルタイム性」ということがキーワードになっており、あらゆることが瞬間的に世界へ伝搬し、平準化され、ネットがなかった時代には他人事だったことが直ちに自分事になるような時代に我々は生きています。WikiLeaksのようなものも、単純に「悪」とも「善」とも論じることが出来ないようなネットの時代の新たな概念と言えますし、Googleにしても、もともと物議を醸すようなことをやり続けながらも、今や我々の生活になくてはならない存在に至っているわけです。

そう考えると、このような秩序の組み換えの時期、世の中が混迷を極めている時期というのは、実は大きなチャンスでもあると感じています。20世紀まで、西欧的な発想やスタイルが中心に組み上げられてきた価値観や秩序の中で、どちらかというと肩身の狭い思いをさせられてきた日本的常識や日本的スタイルの中には、実は新しいグローバル・スタンダードとして世界の常識にして行った方が今後の世界貢献に繋がるようなことがたくさんあるのではないでしょうか?震災時の日本人の行動パターンに多くの外国人が賛辞を送ってくれたのも記憶に新しいところです。日本人は戦後教育の中で、日本的なものを否定するような風潮や論調に過度に洗脳されて来ました。先日、アメリカ人の知り合いと話していたら、「日本人と話すと自国の悪口ばかり言うが、他の国の人達は自国の自慢しかしない」、と言っていました。そういう面も「謙譲の美徳」という意味合いでは日本人のいいところなのかもしれませんが、本音で自国の悪口を言っているとすれば大いに問題です。これからは、自国に自信を持ち、そのいいところをもっと積極的に世界に伝えて行く態度や行動がより重要と感じます。これまで、グローバライゼーションというと、一方的に世界の常識に自分を合わせる、というようなニュアンスが強かったように思いますが、日本人は日本人であることによってしか世界貢献出来ないわけですし、自国に根差したアイデンティティを確立した人こそが真の国際人と言えるのだと思います。

このような時代に生きる意味ということをよくよく考えながら今回の選挙に臨みたいと思います。

2012年11月13日火曜日

硫黄島

今年も早いもので年末が近づいて来ました。悔いのない一年となるように残りの日々を大切に過ごしたいと思います。

先日、息子が「硫黄島に行く」と突然言い出し、自衛隊の軍用機に乗って硫黄島に行ってきたので少し驚きました。大学生なのですが、朝比奈一郎氏が主催する青山社中のリーダー塾というのに通っているようで、そこの企画で慰霊祭に参加する機会を得たようです。

戻ってきてから、撮ってきた写真をいろいろ見せながら話を聞かせてくれましたが、太平洋戦争中の激戦の地、多くの日本兵とアメリカ兵が犠牲になった地に赴いたことによって、彼なりにさまざまに思いを巡らせたとみえて、言動が少し変化していました。

硫黄島といえば、守備隊の栗林忠道中将が有名で、クリント・イーストウッドの映画「硫黄島からの手紙」では渡辺謙が演じて話題となりましたが、この栗林中将は抜きん出たリーダーとしての力量のあった人と言われています。硫黄島が陥落すると、B29によって直接東京が空襲の脅威に晒されるため、首都東京を焼土としないために硫黄島を死守することが栗林部隊の責務でした。当初、米軍は5日で硫黄島を陥落させる予定でしたが、この栗林中将の卓越した戦術と実行力、統率力によって守備隊は最後まで徹底抗戦して、実際には陥落まで36日間を要しました。制海権、制空権を確保し、火力兵力その他物資において圧倒的に優勢であった米軍の死傷者は日本側の死傷者を上回ったと言われています。上記映画は日本側からのストーリーとアメリカ側からのストーリーの二部作となっていましたが、原作者のジェームズ・ブラッドリーは、栗林中将を「米軍を最も苦しめ、それゆえにアメリカから最も尊敬された男」と称賛しています。

米軍が上陸した浜には、「名誉の再会(REUNION OF HONOR)」と呼ばれる石碑が建てられており、山側の面が日本語、海側の面が英語で、二度とこのような悲劇を繰り返してはならないということと、日米の平和と友好を誓う文字が刻まれているそうです。

今の平和と繁栄の背景にはこのような歴史があり、多くの人達の犠牲や家族の悲しみなどがあったことを忘れてはならないとあらためて思いました。