二月に引き続き、今月も沖縄を訪れました。沖縄科学技術大学院大学で開催された産学連携をテーマにした国際シンポジウムに招かれたのですが、ちょうど直前にブセナ・テラスで「G1サミット」が開催されたので、こちらにも四年ぶりに参加しました。
G1サミットは、さまざまな経済活動や政治活動がある中で異色の存在です。(株)グロービスを創業した堀義人氏が中心となって二〇〇九年に始まった「日本を良くする」ことを標榜したフォーラムで、現在は「一般社団法人G1サミット」として活動しています。
G1の活動は多岐に渡りますが、毎年二月か三月に、二泊三日の合宿形式で年に一度の「本会議」が日本各地で開催されます。大臣、代議士、官僚、自治体首長、大企業経営者、ベンチャー経営者、投資家、メディア、学者、研究者、学生、芸能人、アスリートなど、分野や年齢を問わず多彩な人達が集まり、日本が抱えるさまざまな課題について垣根を超えた自由な議論が展開されます。敢えて例えるなら、いわゆるダボス会議と呼ばれる「世界経済フォーラム年次総会」のミニチュア版、日本版といったところですが、各界のリーダーや有識者達が一堂に会して議論する場というのはありそうでなかなかない機会だと思います。
G1では、これまでの活動の集大成として、先日「日本を動かす『100の行動』」という本を出版しています。テーマは政策論から技術論まで盛りだくさんですが、「日本を良くする」ことや、「これからの世界における日本の役割」に興味のある人にとっては、頭を整理する上でも参考になると思います。
2016年3月25日金曜日
2016年2月24日水曜日
沖縄県経営者大会
先週末、沖縄県経営者協会主催の表記イベントに招かれ、沖縄を訪問しました。かねて、沖縄を訪れる時には、この地を巡る戦時中の悲劇や、現在の基地移転問題など、沖縄が背負っている歴史や苦悩について思いを寄せるように努めていますが、琉球王国の名残りを残す南国の美しく素晴らしいこの地の平和と発展を願っています。
イベントは盛大なもので、那覇市のホテルで開催されました。元三重県知事の北川正恭さん、元NHKキャスターの宮崎緑さんなどと一緒でした。北川さんの御子息には当社創業の時に手伝っていただいたご縁もあったので嬉しい偶然でもありました。
地方創生が叫ばれていますが、各自治体はそれぞれの取り組みでさまざま尽力されていると思います。現在、グローバルレベルでは大きな地殻変動が続いており、インドのコンサルタント、ラム・チャランの著作「Global Tilt」によると、既に北半球中心の時代は終わり、これからは北緯31度よりも南の地域にパワーシフトが起きているとあります。その説でいえば、北緯26度の那覇市を中心とした沖縄県はその対象範囲ですし、シャープの買収騒ぎで話題となっている鴻海も台湾発の巨大企業です。
ところで、沖縄県といえば長寿を連想しますが、実は現在、長寿の県別順位では沖縄県は女性が3位、男性は何と30位というランキングになっています(2013年公表データによる)。欧米流の食生活が逸早く入ってきた地でもあるので、やはりその影響が大きいようです。自然環境や健康的な食材にも恵まれた地ですから、再び健康や長寿をアピールできる地としての返り咲きを期待したいものです。
イベントは盛大なもので、那覇市のホテルで開催されました。元三重県知事の北川正恭さん、元NHKキャスターの宮崎緑さんなどと一緒でした。北川さんの御子息には当社創業の時に手伝っていただいたご縁もあったので嬉しい偶然でもありました。
地方創生が叫ばれていますが、各自治体はそれぞれの取り組みでさまざま尽力されていると思います。現在、グローバルレベルでは大きな地殻変動が続いており、インドのコンサルタント、ラム・チャランの著作「Global Tilt」によると、既に北半球中心の時代は終わり、これからは北緯31度よりも南の地域にパワーシフトが起きているとあります。その説でいえば、北緯26度の那覇市を中心とした沖縄県はその対象範囲ですし、シャープの買収騒ぎで話題となっている鴻海も台湾発の巨大企業です。
ところで、沖縄県といえば長寿を連想しますが、実は現在、長寿の県別順位では沖縄県は女性が3位、男性は何と30位というランキングになっています(2013年公表データによる)。欧米流の食生活が逸早く入ってきた地でもあるので、やはりその影響が大きいようです。自然環境や健康的な食材にも恵まれた地ですから、再び健康や長寿をアピールできる地としての返り咲きを期待したいものです。
2015年12月24日木曜日
ピンチはチャンス
最近、東芝、富士通、VAIOのパソコン事業統合や、東芝とシャープのシロモノ家電事業統合のニュースが流れました。
長らく日本の経済発展を牽引してきた家電産業の苦境が一気に表面化したのは、東日本大震災に見舞われた翌年、2012年3月期の決算発表時でした。ソニー、パナソニック、シャープなどの家電大手各社が、軒並み一社当たり数千億円に及ぶ巨額の損失を計上して、世間に大きな衝撃を与えました。その後、各社各様の建て直し努力が続いていますが、この問題は、それぞれの企業固有の経営問題であると同時に、日本の家電産業全体が抱える構造的な問題でもあります。すなわち、産業政策的には、業界再編を視野に入れたダイナミックな産業革新の発想とアクションが必要です。
不祥事が発覚して、深刻な経営不振に直面する東芝のリストラが起点になって業界再編が進むのは皮肉な話ですが、きっかけはともかく、今後、日本家電産業がグローバル市場での競争力を再び取り戻すためには、手遅れになる前に先を急がねばなりません。一時「産業のコメ」とも呼ばれ、1980年台には隆盛を誇った日本の半導体産業が、今ではすっかり衰退してしまったことを思えば、残された時間は長くはないでしょう。
一方で、中国資本ですが、旧サンヨーのシロモノエンジニア達が頑張っているハイアールアジアや、ベンチャーで二枚羽の扇風機やこだわりのトースターなどを次々に商品化しているバルミューダなどにはチャレンジ精神に根差した元気なエネルギーを感じます。「家電」を文字通り、「家の電気製品」と解釈するならば、今後は「家のスマート化」や「家のインテリジェント化」という流れの中で家電を捉え直し、新たな製品や事業を創出していく戦略や取り組みが求められています。
家電産業のピンチは、ダイナミックな業界刷新の大きなチャンスでもあると思います。
長らく日本の経済発展を牽引してきた家電産業の苦境が一気に表面化したのは、東日本大震災に見舞われた翌年、2012年3月期の決算発表時でした。ソニー、パナソニック、シャープなどの家電大手各社が、軒並み一社当たり数千億円に及ぶ巨額の損失を計上して、世間に大きな衝撃を与えました。その後、各社各様の建て直し努力が続いていますが、この問題は、それぞれの企業固有の経営問題であると同時に、日本の家電産業全体が抱える構造的な問題でもあります。すなわち、産業政策的には、業界再編を視野に入れたダイナミックな産業革新の発想とアクションが必要です。
不祥事が発覚して、深刻な経営不振に直面する東芝のリストラが起点になって業界再編が進むのは皮肉な話ですが、きっかけはともかく、今後、日本家電産業がグローバル市場での競争力を再び取り戻すためには、手遅れになる前に先を急がねばなりません。一時「産業のコメ」とも呼ばれ、1980年台には隆盛を誇った日本の半導体産業が、今ではすっかり衰退してしまったことを思えば、残された時間は長くはないでしょう。
一方で、中国資本ですが、旧サンヨーのシロモノエンジニア達が頑張っているハイアールアジアや、ベンチャーで二枚羽の扇風機やこだわりのトースターなどを次々に商品化しているバルミューダなどにはチャレンジ精神に根差した元気なエネルギーを感じます。「家電」を文字通り、「家の電気製品」と解釈するならば、今後は「家のスマート化」や「家のインテリジェント化」という流れの中で家電を捉え直し、新たな製品や事業を創出していく戦略や取り組みが求められています。
家電産業のピンチは、ダイナミックな業界刷新の大きなチャンスでもあると思います。
2015年11月25日水曜日
「テロに屈しない」?
一月に続く先日のパリでの痛ましいテロには世界中が大きな衝撃を受けました。私も慌ててパリの友人達に連絡をして安否を確認しました。ロシアの旅客機墜落もテロと断定されましたが、世界のいたる所で根深い憎しみの連鎖が加速し、大勢の罪もない人達の命を奪い続けています。
政治家が好んで使う台詞「テロに屈しない」という言葉の意味はなんだろう?と考え込んでしまいます。誰かがどこかで「テロに屈しない」という勇ましい言葉を発するたびに、またどこかで報復攻撃や報復テロが起きます。この連鎖を断ち切る知恵を人類は持ち合わせていないのでしょうか。
我が国はよく「課題先進国」といわれます。戦争の加害者であり被害者でもある我が国は、世界で唯一原子爆弾を二発も落とされた国です。戦争の悲惨さを体験し尽くしたどん底から再起し、70年に渡る平和な国家を創り上げ、その精神や成果を海外での人道支援や経済支援にも発揮し続けて来ました。安直に「テロに屈しない」という言葉を発するよりも、そんな国だからこそのメッセージ発信や行動こそが我々の責務なのではないでしょうか。
積極的平和外交の名の下に、今や一連の安保関連法が成立し、集団的自衛権が容認されて有志連合にも名を連ねる我が国は、ISから攻撃対象国としてはっきりと名指しされています。実際、今年初めには二人の日本人が彼等に殺害されました。今や国内においても、パリやニューヨークと同様に、テロの標的としてのリスクは高まっていると認識せざるを得ません。これまでの平和外交の成果で、長く中立の立場を保ってきた日本の国際的ポジションは、既に全く異なる次元に突入しているのです。
自分に何ができるわけでもありませんが、せめて周囲の人達への感謝の気持ちを大切にしながら日々を過ごしたいと思います。
政治家が好んで使う台詞「テロに屈しない」という言葉の意味はなんだろう?と考え込んでしまいます。誰かがどこかで「テロに屈しない」という勇ましい言葉を発するたびに、またどこかで報復攻撃や報復テロが起きます。この連鎖を断ち切る知恵を人類は持ち合わせていないのでしょうか。
我が国はよく「課題先進国」といわれます。戦争の加害者であり被害者でもある我が国は、世界で唯一原子爆弾を二発も落とされた国です。戦争の悲惨さを体験し尽くしたどん底から再起し、70年に渡る平和な国家を創り上げ、その精神や成果を海外での人道支援や経済支援にも発揮し続けて来ました。安直に「テロに屈しない」という言葉を発するよりも、そんな国だからこそのメッセージ発信や行動こそが我々の責務なのではないでしょうか。
積極的平和外交の名の下に、今や一連の安保関連法が成立し、集団的自衛権が容認されて有志連合にも名を連ねる我が国は、ISから攻撃対象国としてはっきりと名指しされています。実際、今年初めには二人の日本人が彼等に殺害されました。今や国内においても、パリやニューヨークと同様に、テロの標的としてのリスクは高まっていると認識せざるを得ません。これまでの平和外交の成果で、長く中立の立場を保ってきた日本の国際的ポジションは、既に全く異なる次元に突入しているのです。
自分に何ができるわけでもありませんが、せめて周囲の人達への感謝の気持ちを大切にしながら日々を過ごしたいと思います。
2015年10月21日水曜日
神奈川県が推進する「未病」イニシアティブ
バイオ産業ではアジア最大規模の国際展示会「BioJapan 2015」が、10月14日から16日までの3日間、横浜市みなとみらいの「パシフィコ横浜」で開催され、当社もブースを出展致しました。創薬、個別化医療、再生医療、診断・医療機器、ヘルスケア、バイオエネルギー、機能性食品等の分野で、世界30カ国から700社ほどの企業が出展しましたが、今回、神奈川県が、この展示会場の一角を使って、初めて「ME-BYO Japan 2015」を開催し、国内各社や研究機関の「未病」に対応した製品やサービスを紹介しました。 当社では、縁あってこの神奈川県の取り組みに協力することになり、これを機会にこの分野にも参入することに致しました。
「未病ビジネス」は、従来の予防、診断、ケアのアプローチに加えて、人工知能やビッグデータの応用分野としても有望ですが、「未病」というキーワードのもと、新たな価値を新規産業として創出していくことは人類の未来への備えでもあると思います。 未病とは、神奈川県の定義によれば「健康と病気を二つの明確に分けられる概念として捉えるのではなく、心身の状態は健康と病気の間を連続的に変化するものと捉え、このすべての変化の過程を表す概念」とされます。もともとは、東洋医学の考え方で、病が顕在化する手前の段階で、体を健康な状態に戻すべくケアしようという発想です。
現在、人類の平均寿命は毎日5時間ずつ延びている、というデータもあり、2050年頃までには平均寿命が100歳を超えるという説もあります。高齢化は驚くべきスピードで進んでいますが、一方で、「平均寿命」と「健康寿命」の間には、現在でも男性で約9年、女性で約13年の開きがあります。加速する超高齢社会の中で、いかに健康寿命を延ばし、将来的な医療費の増大を抑えていくかは大きな課題となっています。
世界一の長寿国家となった日本には、人類の健康増進に有効な素材や技術がたくさんありますが、事業化、産業化、グローバリゼーションという観点ではまだまだ未開拓です。世界人類共通の大テーマに、地方自治体の神奈川県が正面から向き合い積極推進することは、地方創生の観点からも大きな意義がありますが、当社も微力ながらこの分野での貢献を目指して行きたいと考えています。
10月22日と23日には、箱根で「ME-BYO Summit Kanagawa 2015」という国際シンポジウムの開催が予定されていますが、筆者もモデレーターとして参加しますので、また機会をみてその模様もご紹介したいと思います。
「未病ビジネス」は、従来の予防、診断、ケアのアプローチに加えて、人工知能やビッグデータの応用分野としても有望ですが、「未病」というキーワードのもと、新たな価値を新規産業として創出していくことは人類の未来への備えでもあると思います。 未病とは、神奈川県の定義によれば「健康と病気を二つの明確に分けられる概念として捉えるのではなく、心身の状態は健康と病気の間を連続的に変化するものと捉え、このすべての変化の過程を表す概念」とされます。もともとは、東洋医学の考え方で、病が顕在化する手前の段階で、体を健康な状態に戻すべくケアしようという発想です。
現在、人類の平均寿命は毎日5時間ずつ延びている、というデータもあり、2050年頃までには平均寿命が100歳を超えるという説もあります。高齢化は驚くべきスピードで進んでいますが、一方で、「平均寿命」と「健康寿命」の間には、現在でも男性で約9年、女性で約13年の開きがあります。加速する超高齢社会の中で、いかに健康寿命を延ばし、将来的な医療費の増大を抑えていくかは大きな課題となっています。
世界一の長寿国家となった日本には、人類の健康増進に有効な素材や技術がたくさんありますが、事業化、産業化、グローバリゼーションという観点ではまだまだ未開拓です。世界人類共通の大テーマに、地方自治体の神奈川県が正面から向き合い積極推進することは、地方創生の観点からも大きな意義がありますが、当社も微力ながらこの分野での貢献を目指して行きたいと考えています。
10月22日と23日には、箱根で「ME-BYO Summit Kanagawa 2015」という国際シンポジウムの開催が予定されていますが、筆者もモデレーターとして参加しますので、また機会をみてその模様もご紹介したいと思います。
2015年9月23日水曜日
安全保障関連法案成立の裏で
安全保障関連法案が参院本会議で可決されました。これにより、 我が国の戦後の安全保障に対する立場が大きく転換することになり ます。 多くの憲法学者が違憲と断じる中での今回の法案成立を巡っては、 中身の是非に加えて、 そのやり方についても立憲主義の否定につながるとして論争となり ました。
一方、9月15日から18日まで、英ロンドンで、
戦後、平和憲法の下、戦争放棄した我が国は、「軍産複合体」
「財界の鞍馬天狗」の異名を持つ戦後の経済人中山素平は、
2015年8月27日木曜日
アマゾンの職場環境を巡る論争
今週発売の週刊文春の連載でも取り上げましたが、 米ニューヨークタイムズが、
アマゾンがブラック企業であるかのような記事を書き、 それに創業者でCEOのジェフ・ ベゾスが猛反発して傘下のワシントンポストまで巻き込んだ論争に なっています。アマゾンの実態はともかく、 こういう話はどういう企業にとっても決して他人事ではないですね 。
常識を逸脱するような強制やイジメが日常的に存在する会社があれ ば大問題です。それを解決することは経営者の責務であり、 また経営者そのものに問題があれば、 それを社会が糾弾するのも当然でしょう。しかし、 昨今の風潮で若干気掛かりなのは、 一昔前なら当たり前だったような社内教育、上司による指導、 仕事そのものの厳しさなども、「ハラスメント」 と過剰に騒ぎ立てられて、 経営者や企業が一方的にブラックのレッテルを貼られるようなケー スが増えてきていることです。社員や元社員が、 ネットで自社の悪口を拡散するのも当たり前のようになっており嘆 かわしいことです。
精神論じみて恐縮ですが、会社は、 社員の日々の努力や貢献に感謝を忘れず、社員も、 会社から社会的立場や報酬を得、 福利厚生面でさまざまな恩恵を得ている前提に立ち返って、 互いに感謝を忘れない。詰まる所、 それが良質な企業カルチャーを創る単純原則なのではないでしょう か。
常識を逸脱するような強制やイジメが日常的に存在する会社があれ
精神論じみて恐縮ですが、会社は、
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