2013年11月30日土曜日

関西から日本を元気にする集い

先週の金曜日に大阪のリッツカールトンホテルで開かれた「関西から日本を元気にする集い」に参加しました。これは、テレビ番組「賢者の選択」を制作している矢動丸プロジェクトの前田社長が、番組継続10周年を記念して主催された催しで、関西から日本を元気にしよう!、というノリで、番組に出演した各界の経営者や、関西を拠点に活動する起業家、番組関連者を集めた賑やかな会でした。

基調講演に立たれた建築家の安藤忠雄さんのお話は、出身地である大阪に対する安藤さんの愛情があふれる内容で、行政や時の首相にまで掛け合って大阪の街を活性化させた取り組みの数々を裏話とともに聞かせていただきました。また、大和ハウスの樋口会長のお話しからは、大和ハウスを2兆円起業にまで育て上げた創業者の石橋さんと後を継がれた樋口さんの経営哲学を垣間見ることが出来ました。

前にもこのコラムで書いたことがありますが、大阪の街は人情味に溢れ、商売のセンスに長けた人も多くて、弊社もグランフロントに拠点を設けてからは関西の方々とのさまざまな出会いの機会に恵まれるようになりました。京都に行けばまた大阪とは違った古都の魅力に溢れていて外国からのお客さんも多く、まさに関西は日本を元気にする要素をたくさん持ち合わせている地であると認識しています。

成熟国家としての日本は、東京一極集中から脱却して、日本全国の各地が長い年月の中で熟成させてきたそれぞれの地域の強みや持ち味やエネルギーをあらためて組み立て直しながら新たな国のスタイルを創り上げて行く、そんな時代に入っているのだと思います。

盗聴問題の波紋とネット社会の現実

米国家安全保障局(NSA)による盗聴問題の波紋が広がっているが、ここまで来ると、今後のインターネット社会の在り方そのものへの問題提起でもあると感じている。

そもそも、歴史的には、国家間での盗聴やスパイ活動などは当たり前の話であって、第二次大戦時にも、その後の冷戦時にも、諜報合戦が国益を大きく左右してきた。しかしながら、今回の米国家機関による盗聴問題は、そのターゲットのすそ野が広く一般庶民にまで及んでいることを明らかにした、ということで重大問題であり、噂されてきたプリズムやエシュロンの実在を裏付ける形にもなった。

最近の米国映画で、個人の行動や履歴がすべて捕捉されて監視されているシーンがよく出てくるが、これは決して映画の中だけの話ではない、ということである。

報道によると、これにはグーグルのシュミット会長も怒りを露わにしており、NSAのほかオバマ大統領、連邦議会の議員に苦情を申し立てたとされている。シュミット会長は、「NSAは危害を加える恐れのある約300人を特定するため、(米国民)3億2000万人すべての通話記録を収集した疑いがある。これは公共政策としてひどいというほかない。(中略)そして恐らく違法だろう」と話している。

また、グーグルのセキュリティシステムに関わるとされる社員も、自身のブログで、「Googleの世界各地のデータセンターをつなぐケーブルから通信を傍受するというNSAのやり方は、法を無視する行為である」と非難している。

このような事態を受けて、米国では早速、「Dark Mail Alliance」なるプロジェクトの発足が発表された。NSAの盗聴や検閲を避ける新たな暗号技術を実現する試みだ。スノーデン氏の事件で炎上したメッセージサービスベンダーのLavabit社の創業者が、当局からの捜査協力要請を拒絶して自身のサービスを閉鎖した上で仕掛けたものだ。当局の不当な介入に対して、グーグルの抗議にとどまらず、このような小さな民間企業も徹底抗戦する姿勢を打ち出しているわけだ。

一方で、長く平和ボケの続くわが国では、セキュリティに関する感度も極端に鈍くなっている。今回も、NSAのターゲットに日本も含まれていた、という報道に対して、防衛大臣が「信じたくない」という発言をし、官房長官も「事柄の性質上、発言は控えたい。日米間ではしかるべく意思疎通を行っている」と述べるにとどまり、米国に厳重抗議する考えがない様子であるのには違和感を覚える。つまりは、日本国政府としては、われわれ日本国民の情報が米国の国家機関に筒抜けになっていても、何のアクションも取らない、ということに等しい。

一般庶民としては、今後、電話やインターネット上での自身のやり取りは、すべてどこかの国家機関あるいは第三者によって捕捉されており、電話やインターネットは決して安全な通信手段ではない、ということを強く自覚した上で、自己防衛の策を講じて行くことを考えていかねばならない。

結局、自分自身の安全や財産を守るのは自分しかいない、という原点に立ち戻ることしか術はない。大変便利な世の中になったが、その代償もまた計り知れないのである。

京都高台寺秋の夜のイベント

京都高台寺で開かれた日本画家の山岸泉琳さんのイベントにお招きいただきました。山岸さんは、16年前、高台寺の庭に80畳の絵を制作されたそうですが、このたび、秋をイメージした素晴らしい庭画を再び制作され、そのお披露目のイベントでした。

折からの台風の影響で一時は激しい雨となりましたが、イベントが始まると不思議と雨も止み、暗闇からライトアップで浮き上がった山岸さんの画は幻想的な秋の夜を演出してくれました。写真ではその素晴らしさを再現できませんが、一枚添付しておきます。
夜のお寺という不思議な空間の中で華やかな庭画を見ながら、日本の素晴らしさについて改めて想いを巡らせることができました。

(10月25日 アレックス株式会社メールマガジン からの転載)
 

2013年10月10日木曜日

伊勢神宮参拝

お世話になっている方のアレンジで、式年遷宮を終えたばかりの伊勢神宮の外宮(豊受大神宮)、内宮(皇大神宮)に参拝に行って来ました。幼い頃に家族旅行で両親に連れられて一度行ったきりだったので、人生で二度目のお伊勢参りでした。あいにく台風24号の影響で天候が不安定で途中から土砂降りの雨になってしまいましたが、却って荘厳な雰囲気の中で無事に両正宮での参拝を終えることが出来ました。
 
   
 
20年に一度の式年遷宮とは言っても、この後14の別宮をはじめ、多くの社殿を作り替えるのに11年掛かるそうです。伊勢神宮は正式にはただ「神宮」と呼ぶのが正しいそうで、日本全国で何もつけずに「神宮」と呼んでいいのは伊勢の神宮だけということでした。神話的には外宮は内宮の天照大御神の為の食事を準備するところなのだそうですが、歴史的には長く外宮と内宮の間では確執があったそうで、鳥居の榊の位置や、社殿の作り方など、随所にその名残りがみられました。
 
   
 
案内していただいた方の説明が大変面白くいろいろと勉強になりましたが、外宮も内宮も本殿はほとんど見えない構図になっていたり、外宮は左側通行なのに対して、内宮は右側通行であったり、さまざまな場面に日本文化の奥ゆかしさやおもてなし、あるいは序列や礼儀の原点を感じることが出来ました。
 
それにしても、天候もすぐれず平日であったにもかかわらずものすごい人出で、例年では年間800万人ほどの人出だそうですが、今年は1300万人を超えそうだということでした。

   
 
そんな中、遷宮直後で檜の香りもかぐわしい伊勢参りは、気持ちを清らかにして新たなモチベーションを掻き立てることの出来る有意義な機会となりました。

2013年9月10日火曜日

2020年への期待

先日のオリンピック・パラリンピック東京招致確定のニュースは、日本全体を久々に明るくしてくれた。まさに、待ちに待った瞬間でもあった。自民党政権を復活させて以来、安倍首相には並々ならぬ覚悟と迫力を感じるしそれがきちんと伝わってくる。福島第一原発の汚染水問題に関する答弁を問題視する向きもあるが、あの場面で他にどのような対応の仕方があったというのだろう。不明確な答弁をして、不信感を増幅し、招致を失敗するよりも、半分は事実というより決意表明に過ぎなかったとしても、国のリーダーがあそこまで明確に断言して招致を勝ち取ったことの方を高く評価すべきだと私は思う。オリンピックを東京に招致したことにより、被災地の復興も、原発災害への対応も、そうでなかった場合に比べてはるかに加速するのは間違いない。何より、2020年に向けて国家レベルの明るい目標が設定されたことは日本再生に大いにプラスに作用する素晴らしいことだ。

先日、米国イリノイ大学で活躍し、ロンドンパラリンピック日本代表でもあった車椅子バスケットボール選手、香西宏明さんがドイツのプロリーグに移籍されるということでその壮行会に参加した。いい機会だったので、弊社のクラウドファンディングCOUNTDOWNで心のバリアフリー運動のチャレンジを成功させた池田君江さんとご主人もお誘いした。香西さんは生まれつき、池田さんは事故で車椅子生活を余儀なくされている。香西さんや池田さんの生き方から我々が学ばせていただくことは実に多い。今回の招致もきっかけにして、普段の生活の中でもっと健常者と障害者が自然に接する機会や場が当たり前の世の中を作っていかねばならない、ということを今更ながらに強く思う。

7年後に向けたカウントダウンは今始まったばかりだ。アスリート界のみならず、国家レベルから個人レベルまでのさまざまなチャレンジや活動が数多く始動することだろう。7年というと長いようであっという間だ。それらの多くが実を結び花開き、競技場の内外で、たくさんの感動と笑顔が生み出されることを心から祈念せずにはおれない。

2013年8月10日土曜日

日本でクラウドファンディング事業をやる意味

日本ではいわゆる「リスクマネー」が回っていない、とよく言われますが、実際回っていません。2011年の統計ですが、米国での年間のベンチャーに対する投融資の総額が日本円で3兆円程度だったのに対し、日本では1200億円あまりに過ぎません。では、日本にはお金がないのかというと、個人預金の総額は1400兆円とも1500兆円とも言われていますし、企業が内部留保している現金も震災前には500兆円とも言われていました。すなわちお金はあってもそれが将来投資に回っていないという構図なのです。
 
2013年版の世界銀行の各国別のビジネス環境に関する調査(Doing Business 2013)でも、日本は「ビジネス環境総合(ease of doing business)」では185ヵ国中24位にランキングされているにもかかわらず「起業のしやすさ(starting a business)」という項目では114位にランキングされています。前述した投融資環境の問題だけでなく規制面や税金面など、日本からもっとベンチャーを生み出すためには多くの面での改善が必要なのです。
 
アベノミクスの成長戦略ではベンチャー育成に力を入れることになっていますからこの状況が好転して行くことを期待しますが、米国国家情報会議のGlobal Trends 2030 (「2030年世界はこう変わる」、講談社)によると、日本は国家としての繁栄期を1995年に終えて凋落する国として捉えられており、このままでは世界一の高齢者大国として経済も縮小の一途をたどることになっています。2030年までには後17年しかありません。今生まれてくる人達が思春期を迎えて社会人になる頃に日本を衰退国家としないためにはまさに今現在の我々の決意と行動が重要なのです。
 
クラウドファンディングという仕組みは日本でも根付くのか?という議論がありますが、チャレンジする人達を増やし、励ます土壌を育成すると同時に、日本の安定志向で保守的な体質を変えていく為の一石を投じる、という意味では非常に有望なオプションであるのは間違いなく、この手法の利用形態を様々に工夫して浸透させていかねばならないと決意しております。
 
皆様にもより一層の関心をお持ちいただきたいと願っております。

 

2013年7月23日火曜日

年齢を重ねるということ

今月、誕生日を迎えてまた一つ歳を重ねた。私と同じ世代の友人達は、大抵が民間企業や公官庁で、そろそろ上がりのポジションに入って、傍から見ていると悠々自適な生活を満喫しているようだ。本社で上り詰めることは叶わなくとも、子会社等で比較的余裕のあるポジションに着いたり、子供たちも既に巣立っていて、やれゴルフだの、夫婦での海外旅行だのと、金銭的にも時間的にも余裕のある生活を送っているように見える。
 
それに比べて、私自身は現在起業して3年が経ち、自ら始めた事業を軌道に乗せようと悪戦苦闘の毎日が続いている。先日、久し振りに会った昔の同僚から、「もっと楽な選択肢はいくらでもあったろうに、一体、何の為にまだそんな苦労を続けているのですか?」と面と向かって言われた(笑)。なるほど、そのような見方もあるのかもしれないな、と思った。
 
しかし、人にどう思われようと、これが自分の求める生き方なのだから仕方がない。こんなに課題や可能性に満ち溢れた時代を迎えて、このまま穏便にリタイアして行くというような生き方は自分には絶対に出来ないし向いていないのだ。
 
今のような生き方にはっきりと転換できたのはやはりソニーを辞めたからだろう。ソニー時代には大企業のエスタブリッシュメントとしての自分の将来像をイメージしていた時期もあったように思う。だから、その頃の自分からすれば、今の自分の生きる道は想像だに出来なかったかもしれないし、当時の自分とは人生の価値観も内面も大きく変わったと感じる。しかし、そのお陰で、いろいろと日々の生活は大変でも、自分の思い通りに、フットワークのいい生き方を手に入れることが出来た。
 
昔、クリント・イーストウッドが歳を取ることについて「よりいい人間になるということだ」とサラリと言ってのけていたのをアメリカのTV番組で見かけて、実に爽やかでカッコいい人だな、と思った。年齢的にもその境地にはまだまだほど遠いが、生涯、何かに挑戦し続ける生き方を続けられたら本望だ。
 
健康に留意しながら、周囲への感謝の気持ちを忘れずに、また新たな成長や飛躍を実感できる歳にしたいと思う。